恩納村ひとり旅
天気予報は雨、向かう先の空も真っ暗な中車は走り出した。
私はなぜか晴れる気がした。
山に入っていくと友人に紹介してもらった宿が見えた。
後輩に本当にこの山に泊まるんですか?と聞かれ私は大きく頷く。
わくわくしていた。
中に入ると懐かしい気持ちになった。
初めての場所なのにただいまって言いそうだった。こういう場所とってもすき。
海の場所を聞き宿を出た。
いってらっしゃ~いと大きな声で見送ってくれた。
すれ違うおじい、おばあは何を言ってるかわからなかった。
未知の国にきてる気持ちだ。
ビーチについた。旅行に来てた子たちと写真を撮りあった。
撮られ方うまいですねってなんか褒めてくれた。ちょっとニッコリ。
ビールを開けぼーっと夕日を見る。
電波はない。贅沢だ。
いつからか電波がないと贅沢と思うようになってしまった。
日が落ちる。
黒い雲はどこかにいった。
いつだって旅先での夕日鑑賞は天気が悪い。
これが雨女か、と思ったその時雲がだんだん減っていった。
奇跡、こんな夕日は見たことない。
大好きなビールの手が止まるくらいにはずっと眺めていた。
人生で見た夕日の中で1番おっきかった。
恩納村の太陽は大きかった。
瞬く間に周りは真っ暗、帰り道赤提灯を見つけた。大好物。
中にはおかあさんが2人、この街の人たちとお酒を交わす。
夜道はハブが出るからって宿まで送ってくれた。
優しかった。
宿につくとみんながおかえりと言ってくれた。
一人で暮らしてると聞かない言葉で嬉しかった。
夜は日を越すまで宿のみんなと飲んだ。
締めのラーメンまでいただいた。
宿のみんなは初めて会うのに暖かくて寄り添ってくれて心地よくてなんて素敵な人たちなんだろう。
大人って楽しいんだよって思わせてくれた。
宿に戻ると、空を見てと言われた。
ときめいた。
一面に広がるキラッキラした星。涙が出た。
お茶を飲んでもっかい見ようと思ったけど酔っ払って寝てしまった。
こればかりは私らしくばかだけどここ最近で1番ぐっすり眠れてそれも幸せだった。
空も心も晴天の朝を迎えた。
やったー!晴れた。
嬉しくなって二度寝した。
この旅で恩納村の自然の素晴らしさ、そこから生まれる本質的な優しさを感じた。
大人って楽しいなって気づかせてもらった。
恩納村の良さはたった1日でも感じたけどもっと深堀りしたいな、また行くね。